天野川を渡って、牽牛は織姫に会いに行く('24.06.13)#

奈良から淀川に流れる「天の川」#

天の川の両岸に引き離されて、けれど、一年に一度だけ七夕の夜に逢うことができる。 そんな二人が、牽牛と織姫。 大阪の枚方(ひらかた)市から交野(かたの)市を舞台にした七夕伝説がある。

_images/day_240613_osmnx_tanabata_Niulang_and_Zhinv_(Long_Corridor).JPG

図 34 七夕伝説#

奈良県の生駒山地から流れ出る「天野川」は、大阪府交野市を通って枚方市で淀川に注ぎこむ。 かつては甘野川と呼ばれていたというが、天野川の川砂が白く光って見えたことから、平安貴族が「天の川」に見立てて、天野川と呼ぶようになったという。 その天野川流域、枚方と交野あたりは、交野ヶ原と呼ばれて、「七夕」を題材にした数多くの歌が詠まれている。

天野川の両岸にいる牽牛と織姫#

交野から枚方に流れる天野川、その西側には「牽牛石」があり、対岸の東側には「機物神社」が位置している。 そして、その二人が川を渡れるようにするかのように、天野川には「逢合橋」という名の橋が掛かっている。

今日は、天野川の両岸にいる牽牛と織姫が天野川を渡って逢うことができるか、それを調べてみる。 そして、もしも逢うことができるなら、二人は逢合橋で落ち合うのかを確かめてみたいと思う。

交野ヶ原の道をひた走り、牽牛は織姫に会いに行く#

交野ヶ原の道を検索し、そこで牽牛(石)から機物神社までの最短ルートを見つけ出し、表示してみた結果が次の図だ。 石にされていた牽牛(青色マーカ)は、織姫(赤色マーカ)がいる神社に向かって走り、天野川を渡り、織姫に逢うことができたようだ。

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import osmnx as ox
import networkx as nx

# 牽牛石と機物神社の緯度経度
kengyu = (34.78884040713825,135.65427413337406)   # 牽牛石
hatamono= (34.794548368486986,135.69465954889583) # 機物神社
aiai=(34.78370938038747,135.67268955975246)       # 逢合橋

graph=ox.graph_from_point(aiai, dist=3000, network_type='walk')

# 牽牛石と機物神社に近いノードを探索・設定する
kengyu_node = ox.nearest_nodes(graph, kengyu[1], kengyu[0])
hatamono_node = ox.nearest_nodes(graph,hatamono[1], hatamono[0])
# 最短ルートを見つけ出す
route = nx.shortest_path(graph,kengyu_node,hatamono_node,weight='length')
route_coords = [(graph.nodes[node]['y'],graph.nodes[node]['x']) for node in route]
# 地図表示する
fmap = folium.Map(location=aiai, zoom_start=14)
folium.Marker(location=kengyu, popup="牽牛石",
              icon=folium.Icon(color='blue')).add_to(fmap)
folium.Marker(location=hatamono, popup="機物神社",
              icon=folium.Icon(color='red')).add_to(fmap)
folium.Marker(location=aiai, popup="逢合橋",
              icon=folium.Icon(color='green')).add_to(fmap)
folium.LayerControl().add_to(fmap)
folium.PolyLine(route_coords, color="blue", weight=2.5, opacity=1).add_to(fmap)
fmap
Make this Notebook Trusted to load map: File -> Trust Notebook

走れ牽牛「ニコニコ街道」をひた走る#

織姫がいる神社に向かって走る牽牛、石となっていた牽牛は、天野川を逢合橋で渡るのではなかった。 牽牛は必ず姫に逢いに行くと決意していた牽牛は、大阪府道18号枚方交野寝屋川線、通称「ニコニコ街道」の「新天野川橋」を渡って、織姫神社に辿り着いていた。

待つ織姫の方が辛いのか、それとも待たせる牽牛の方が辛いのか?……そんなことを牽牛は考えもせず、ひた走っていたに違いない。